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書の掛け軸
●お題目
経の題で、経の本質が表現されているので重視される。
題目を唱えることは、経全体を意味するとされ、これに南無をつけて唱えられる。南無は、梵語「ナマス」(屈するの意)の音写。帰依礼拝すると漢訳される。
日蓮が『法華経』の題目「妙法蓮華経」を強調してから盛んになった。
念仏
心で仏を念ずること。後、心で仏を思いつつ、口で名号(仏名)を唱える口唱念仏が盛んになり、これをいうようになった。
南無阿弥陀仏-浄土宗
阿弥陀仏に帰依するの意。浄土宗では、六字の名号といい、唱えると浄土に生まれられると説く。浄土真宗では、阿弥陀仏を救われた感謝の念で報恩の念仏であるとする。
南無妙法蓮華経-日蓮宗
法華経に帰依したてまつるの意。日蓮は、「妙法蓮華経」は、『法華経』に説かれた宇宙の真理を意味し、唱えれば宇宙の真理に入り、仏の境地を得られるとした。
南無大師遍照(じょう)金剛-真言宗
「大師」は、釈尊、偉大な師をいい、弘法大師の俗称でもある。「遍照金剛」は、大日如来の密教名、または空海の金剛名。
●六字名号
南無阿弥陀仏
浄土真宗で、時間の長短を問わず一心に唱えるならば、阿弥陀仏の願いにかなうので、悪人でも極楽浄土に生まれられるとする、六字の仏名。
南無釈迦牟尼仏
禅宗で用いる、釈迦に帰依するの意。釈迦は姓で牟尼は名前。
●円相
禅で、悟りの対象として描いた円。禅の第一義を示す手段として描く。衆生の心が、本性上まろやかで平等なことを象徴した。おおらかな欠けることのない、仏陀の自由、平等、無差別を表す。
●般若心経
法隆寺にある梵本(古代インド語で記された原本)が、世界最古といわれる。漢訳は八本あるが、唐の玄奘三蔵法師の訳が最も流布している。多くの宗派が用いている。
『大般若経』600巻の要約。観音菩薩が、弟子のために、執着から離れるところに空の境地が開け、一切空、この空中全て無所得ということを述べ、菩薩も仏も、この般若波羅密多によって無上正等菩提を得ると伝えられたものである。
●『正信偈(げ)』=『正信念仏偈』
浄土真宗の郷里と歴史を偈の形にまとめたもの。
「釈迦という偉大な聖者の教えに帰依し、過去の高僧方の解釈に触れることで、仏の恩の深遠なことに気づいて、深く信じるようになりました。」という親鸞の前書きの後に書かれている、120句よりなる偈分。経典ではないが、『教行信証』の要約を述べたもので、浄土真宗で『阿弥陀経』とともに読まれることが多い。
●禅語
清風払明月
「清風払明月 明月払清風」 清風明月を払い、明月清風を払うという五言対句の前句で、禅のことば。
主と客は相対的なものである。時、処、位に随って主となり、客となるにすぎない。秋の夜空の清らかな様子は、迷いを払いさった「空」である。
日々是好日
日々是好日 日々これ好日
風来樹点頭 風来たって樹点頭す
日新日々新 日に新た、日々に新なり
月日の良し悪しはない。良し悪しは自分の心であって、心が正しければ悪い日は一日もない筈で、毎日は良い日である。風が吹けば木の枝葉がなびくように、とらわれのない心のゆとりと行動が、日々を好ましい日にする。
松無古今色-松に古今の色無し
「松寿千年翠」「青松多寿色」「松風有清音」とともに、常住不変の永遠の心を唱えたもの。
白鶴舞老松-白鶴老松に舞う
幾百年もの樹齢で、みどりの変わらない老松に鶴が舞いあそぶ、というめでたい語。
佳気満高堂-佳気高堂に満つ
美しい良い気が、立派な家の座敷に満ちている、という様子を表した語。
無事是貴人-無事これ貴人
一切の妄念を排除すれば、心は常に清浄平穏。これが真の貴人である。
瑞烟呈福寿-瑞烟福寿を呈す
めでたい祥雲が幸福と長寿をあらわしている。
一期一会(いちごいちえ)
茶道用語。一生に一度の出会いをいう。 個々の茶会では繰り返すことがないから、主客が全心身を挙して茶を接待し、道を現成させねばならない。
一生に一度しか巡り会える機会がないものと心得て、何かとの出会いを大切にすべきであるという戒めのことば。
●漢詩
楓橋夜泊詩 張継作
月落鳥啼霜天満 月落ち 鳥啼いて 霜 天に満つ
江楓漁火対愁眠 江楓 漁火 愁眠に対する
姑蘇城外寒山寺 姑蘇城外の寒山寺
夜半鐘声到客船 夜半の鐘声 客船に到る
月は西の山に落ち、カラスは鳴き、冷たい霜の気配が夜空に満ち渡る。紅葉した川辺の楓、ちらちら燃える漁船の漁火、それらが旅愁に眠りやらぬ私の目にうつる。おりしも寒山寺から、夜半をつげる鐘の音が、旅寝する私の船にまで響いてきた。
偶成詩
少年易老学難成 少年老い易く 学成り難し
一寸光陰不可軽 一寸の光陰 軽んずべからず
未覚池塘春草夢 未だ覚めず 池塘春草の夢
階前梧葉巳秋声 階前の梧葉 巳に秋声
年をとるのは早いが学問を成就するのは難しい
わずかな時間も無駄にしてはならない
池の塘に春の若草が萌えるような夢がさめやらぬうちに
早くも庭の梧葉に秋風が吹いてきた。
少年時代を楽しむうち、早くも老境は迫ってくる。
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